予防歯科の保険適用はいつから?フッ素塗布など保険適用条件、適用外治療の料金相場を解説

「虫歯や歯周病にはなりたくないし、歯を守りたい」というのは誰もが思う事です。
歯を守るために多くの歯医者では「予防歯科」を行っています。
「予防歯科」を受けたいけれど、治療ではないから高額な費用がかかるのでは?と、不安になりますよね。
この記事では、予防歯科が保険適用になるケースや予防歯科として、歯医者でおこなわれている処置の内容、費用などをご説明します。
予防歯科とは
最近「予防歯科」という言葉を耳にする機会が増えましたが、「予防歯科」とは一体何をすることなのか?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
予防歯科とは、お口のトラブルを未然に防ぎ、お口の環境を整え、自分の歯を長持ちさせる事を目的とした診療のことです。
予防歯科は、歯科医院に定期的に通い処置を受けるプロフェッショナルケアと、歯科医師や歯科衛生士の指導に基づいておこなう毎日のセルフケアに分けることができます。
予防歯科を受診することには、もし虫歯や歯周病などのトラブルが見つかったとしても、早期の段階で治療を行うことができるなど、多くのメリットがあります。
歯を長く健康な状態で維持するには、予防歯科が非常に重要です。
予防歯科はいつから保険適用される?適用条件とは?
お口の健康は守りたいと思っているけど、歯科医院を受診するのであれば、費用の面からも保険適用範囲で収めたいと考えている方も多くいると思います。
結論から言ってしまうと、予防歯科は条件に応じて保険適用がされるようになりました。
ここでは、予防歯科で保険適用となる際の条件について詳しく説明していきます。
2020年から保険適用範囲が拡大
2020年4月におこなわれた診療報酬改定から、歯周病の重症化予防や小児、在宅等療養患者の口腔疾患について保険適用の範囲が拡大されました。
これにより、スケーリングや歯面清掃に加え、歯周病検査や口腔内写真の撮影、フッ化物洗口指導加、フッ化物歯面塗布処置などが保険適用の範囲として認められるようになりました。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000922373.pdf#page=35
症状以外で予防歯科が保険適用となる条件
予防歯科の保険適用されるには、症状以外にも処置をする歯科医院が「かかりつけ歯科医機能強化型診療所」の認定を受けてるという条件があります。
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(以下、か強診)は、厚生労働省によって作られた、虫歯などの重症化を予防し、歯を失わないようにするために定期的に予防の処置を行える歯科医院を評価する制度です。
この「か強診」の認定を受けている歯科医院で予防歯科の処置を受けると保険が適用となります。
もし予防歯科に興味があり、新しいかかりつけ医を探している場合は、この「か強診」の認定を受けている医院かどうか確認すると良いでしょう。
予防歯科の処置の内容
歯科医院で受診する予防歯科は一体どのようなことを行っているのでしょうか。
ここでは、具体的な処置内容について、処置の目的とあわせてご説明します。
検査・診断
予防歯科では、まず現在のお口の中に問題が無いかを確認します。
具体的には虫歯や歯周病のチェックや歯磨きの状態、磨き残しがある箇所など、多くの項目を細かくチェックします。
検診のたびに検査を行うことで、前回からの変化やお口にトラブルがあった場合にも早く対処をすることができます。
早期発見することは、虫歯や歯周病の進行を食い止められる他、治療も短期間で済むなどのメリットがあります。
スケーリング
スケーリングとは、歯石取りの事です。
歯科医院でクリーニングや定期検診を受けるというと、まずこのスケーリングをイメージする方が多いと思います。
歯石は一度ついてしまうと自分で除去することが難しく、どんどん固くなってしまいます。
歯石が付いたまま放置してしまうと、虫歯や歯周病になってしまうリスクが高くなるので、歯石の無い状態を保てるように、定期的にスケーリングをすることが大切です。
PMTC
PMTCはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯面(歯の表面)のクリーニングの事です。
歯の表面には虫歯や歯周病の原因になる「バイオフィルム」という、見えない菌の膜があります。
このバイオフィルムを除去するために、PMTCでは器械を使って歯面を磨きます。
また、PMTCによって、飲み物やタバコによる、着色汚れ(ステイン)も除去することができます。
フッ素塗布
フッ素は歯の質を強める効果・お口の中の細菌の働きを弱くさせる効果のある成分です。
お子さまに使用するイメージがありますが、大人にも効果はあります。
最近ではフッ素配合の歯みがき粉など、市販のものにも含まれている製品が増えていますが、歯科医院で使用されているものは一般的には売られていない高濃度のものなので、より高い予防効果を得ることができます。
シーラント
シーラントとは、臼歯(奥歯)の咬合面(噛む面)にある溝に塗る、虫歯予防のお薬です。
虫歯になるリスクが高い歯に使用されることが多く、歯の溝に汚れが溜まるのを防ぐことにより虫歯を予防します。
主に、お子さまの治療で用いられる手法です。
ブラッシング指導
予防歯科では、歯科衛生士によるブラッシング指導も行います。
検診によって把握した汚れが溜まっている部分や磨き残しの部分に対して、正しい磨き方を教えてもらいます。
予防は歯科医院での処置も重要ですが、日頃から行うセルフケアも同様に重要です。
虫歯のリスクが高い歯間に使用する歯間ブラシやフロスの使い方や正しい歯ブラシの当て方などを理解して、日頃から実践することでより虫歯や歯周病の予防ができます。
予防歯科で保険適用外の治療料金ってどのくらい?通院頻度は?
保険適用の条件が当てはまらないが、かかりつけの歯科医院がか強診の認定を受けていない場合もあるのではないでしょうか?
ここでは、それでも予防歯科を受けたいという方のために、実際の費用と通院頻度についてご紹介します。
保険適用外だった場合の料金相場
保険診療で受診ができた場合の負担額は3割負担の場合には3500円ほどが相場です。
保険適用外の場合は、5,000〜30,000円程度と治療内容により幅広くなっています。
歯科医院ごとに料金や治療の内容が異なるので、もし保険適用外の治療を希望する場合は、受診する前に調べると良いでしょう。
予防歯科の通院頻度は3か月に1回程度が理想的
予防歯科の通院頻度は、諸説ありますが概ね3か月に1回程度が理想的とされています。
もし虫歯などのトラブルが発生してしまっていた場合でも、3か月程度であれば重症化している可能性は低く、早期発見が可能だからです。
もちろん口腔内の状態によっては、この限りではありません。
歯周病のリスクが高い場合や、セルフケアが上手くできない場合などは、より高頻度で通院する必要があることもあります。
どれくらいの頻度で通院すると良いのかについては、かかりつけの医師に相談してみましょう。
虫歯や歯周病の予防は自宅で行うセルフケアも重要
虫歯や歯周病を予防するには、歯科医院での予防歯科だけでなく、普段からのセルフケアも重要です。
2005年の日本歯科保存学雑誌の調査では、歯ブラシのみを使用した歯間部の歯垢除去率は61.2%という調査結果が出ています。
自分なりの歯ブラシをするのでは無く、歯科医院で指導してもらった歯磨き方法を毎日実践することが、より歯の健康を守るためには重要になります。
予防歯科は保険適用の範囲も広がる傾向!まずは歯医者さんに相談してみよう
虫歯や歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼすため、予防歯科の重要性は今後ますます評価される傾向にあります。
とくに歯周病は、30代以上の3人に2人が歯周病と言われるほど多くの人が患う病気です。
気になる症状がなかったとしても、あまり歯医者を受診していない場合は、まずは歯医者を受診してみましょう。
予防歯科サーチでは、保険適用の条件である「か強診」に認定されている歯科医院を紹介しています。
もしかかりつけの歯科医院がない場合は、ぜひ予防歯科サーチで探してみてください。
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立会川歯科・矯正歯科 院長 南 伸也
- 2004年
- 昭和大学卒業
- 2004年
- 一般開業歯科医院 勤務
- 2011年
- みなみ歯科・矯正歯科 開設
- 2016年
- 立会川歯科・矯正歯科 開設
- 所属学会
- 日本口腔インプラント学会 所属
日本口腔インプラント学会JSOI 専修医 - 公式HP
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