歯ぎしり 2024年12月05日

顎関節症は何科を受診すべき?歯科口腔外科と整形外科の選び方を徹底解説

顎関節症は何科を受診すべき? 歯科口腔外科と整形外科の選び方を徹底解説

「顎が痛い」「口が大きく開けられない」「顎を動かすと音がする」—— このような症状が出たとき、顎関節症は何科を受診すればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、顎関節症の治療は歯科口腔外科が第一選択となります。耳鼻科や整形外科を選ぶ方もいらっしゃいますが、顎関節症の多くは噛み合わせや歯ぎしりが原因で起こるため、口腔内を総合的に診察できる歯科口腔外科での治療が最も効果的です。

本記事では、顎関節症で受診すべき診療科の選び方、症状別の受診判断方法、専門医の探し方、初診の流れや費用まで、詳しく解説します。顎の違和感や痛みを感じている方は、ぜひ参考にしてください。


顎関節症で受診すべきは何科?歯科口腔外科と整形外科の違い

顎関節症で何科を受診すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、歯科口腔外科を第一選択として受診することをおすすめします。

顎の痛みや口が開きにくいといった症状が出ると、耳鼻科や整形外科を選ぶ方もいらっしゃいます。しかし、顎関節症は噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどが原因となることが多く、口の中の状態を総合的に診察できる歯科口腔外科での治療が最も効果的です。

整形外科では関節の炎症に対する治療は行えますが、根本的な原因である噛み合わせの調整やマウスピース治療には対応していません。そのため、まずは歯科口腔外科を受診し、必要に応じて他の診療科と連携する形が理想的と言えるでしょう。

歯科・口腔外科が第一選択である理由

歯科口腔外科が顎関節症の治療において第一選択となるのには、明確な理由があります。

まず、顎関節症の主な原因として、噛み合わせの異常や歯ぎしり、食いしばりといった口腔内の問題が関係していることが多いためです。歯科口腔外科では、レントゲンやCTなどの画像検査により顎骨の状態を詳しく調べることができ、原因を正確に特定することが可能となります。

また、マウスピース(スプリント)療法や噛み合わせの調整など、顎関節症の根本的な治療方法を提供できるのも歯科口腔外科の強みです。触診検査だけでなく画像検査を組み合わせることで、一人ひとりの症状に合わせた適切な治療プランを立てられます。

さらに、症状が重い場合でも、外科的な処置が必要になった際にスムーズに対応できるのも大きなメリットと言えるでしょう。

整形外科を受診すべきケースとは

整形外科の受診が適しているのは、限られた特定のケースです。

顎関節を含めた全身の関節に異常がある場合は、整形外科での診察が選択肢となります。また、交通事故やスポーツによる外傷で顎に強い衝撃を受けた直後などは、骨の異常を感じるため整形外科の受診をされる方もいます。

さらに、お住まいの地域に歯科口腔外科の専門医院がなく、顎が外れてしまった緊急時には、整形外科で応急処置を受けられることがあります。

ただし、整形外科では噛み合わせの調整やマウスピース治療など、顎関節症の根本的な原因に対するアプローチは難しい面があります。そのため、整形外科で治療を受けても症状が改善しない場合は、やはり歯科口腔外科への受診をおすすめします。

その他の診療科(耳鼻科・神経内科等)について

顎関節症の症状は多岐にわたるため、耳鼻科や神経内科を受診される方もいらっしゃいます。

顎関節症の症状として耳の痛みや違和感を感じる場合、耳鼻咽喉科を受診するケースもあります。耳の閉塞感や難聴といった症状が現れることもあるため、最初に耳鼻科を選ぶ方も少なくありません。ただし、耳自体に異常がない場合は、歯科口腔外科への受診が推奨されることがほとんどです。

また、頭痛やめまい、首や肩のこりといった症状から神経内科を受診する方もいらっしゃいます。これらは顎関節症の随伴症状として現れることがありますが、神経内科では顎関節そのものの治療は行えません。

さらに、ストレスが原因となる歯ぎしりや食いしばりに心理的な影響が大きい場合は、心療内科や精神科の受診が推奨されることもあります。このように、症状に応じて複数の診療科と連携しながら治療を進めることも選択肢の一つです。


【症状別】顎関節症で何科を受診するか判断する方法

顎関節症で何科を受診すべきか判断するには、まず自分の症状を正しく把握することが大切です。

顎関節症の典型的な症状としては、口を開けるときの痛みや開口障害、関節音などが挙げられます。これらの症状が主な場合は、迷わず歯科口腔外科を受診することをおすすめします。

一方で、耳の痛みや頭痛、めまいといった症状が強く出ている場合は、他の病気の可能性も考える必要があるでしょう。ただし、これらの症状も顎関節症に伴って現れることが多いため、最終的には歯科口腔外科での診察が必要になるケースがほとんどです。

自宅でできる簡単なセルフチェックを活用すれば、受診すべき診療科の判断がしやすくなります。症状の特徴を理解して、適切な医療機関を選びましょう。

顎関節症の可能性が高い典型的な症状

顎関節症に特徴的な症状を知っておくことで、適切な診療科の選択がしやすくなります。

顎関節症の症状として大きなものは、「顎関節痛」「顎運動障害」「顎関節雑音」の3つです。具体的には、口を開けると痛い、口が開けづらい、口を開けるときや噛むときに異音がするといった症状が現れます。

関節音については、「カクカク」「ジャリジャリ」「ゴリゴリ」といった音が特徴的です。食事中に違和感を覚えたり、朝起きた時に顎がこわばることもよくある症状と言えるでしょう。

また、口を開けたり顎を動かしたりする際に痛みが強くなる場合は、顎関節症の可能性が高いと考えられます。これらの典型的な症状がある場合は、歯科口腔外科の受診が適切です。

他の病気の可能性も考えるべき症状

顎関節症と似た症状でも、別の病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

目や耳の痛み、頭痛や肩こりといった症状を伴うこともありますが、これらの症状が主体の場合は他の疾患を疑う必要があります。特に、耳の閉塞感や難聴が強い場合は、中耳炎などの耳鼻科疾患の可能性も考えられるでしょう。

また、激しい頭痛や視覚障害、吐き気を伴う場合は、片頭痛や脳血管の問題も視野に入れる必要があります。発熱や顔面の腫れがある場合は、感染症や炎症性疾患の可能性もあるため、早急な医療機関の受診が求められます。

さらに、場合によっては自律神経失調症やうつ病の原因となる可能性もあるため、精神的な症状が強い場合は心療内科との連携も検討すべきでしょう。症状が複雑な場合は、まず歯科口腔外科で顎関節症の診断を受けた上で、必要に応じて他科を紹介してもらうことをおすすめします。

セルフチェックで確認すべきポイント

自宅でできる簡単なセルフチェックを行うことで、顎関節症かどうかの判断材料になります。

まず基本的なチェックとして、人差し指・中指・薬指の3本を縦に揃えて口に入れることができるかを試してみましょう。指2本分しか入らない場合は、開口障害の可能性が高いと言えます。

次に、口の開閉時に音がするか、物を噛む時にこめかみや耳の周辺に痛みがあるかを確認してください。また、朝起きたときに顎やこめかみが疲れている、痛いといった症状がないかもチェックポイントです。

さらに、顎を動かすと痛みがある、顎が外れることがある、口をスムーズに開閉できないといった症状も顎関節症の可能性を示唆します。

これらの症状が複数当てはまる場合は、早めに歯科口腔外科を受診することをおすすめします。セルフチェックはあくまで目安ですので、気になる症状があれば専門医の診察を受けましょう。


顎関節症の専門医を探す方法

顎関節症の治療を受けるなら、専門的な知識と経験を持つ医師のもとで診察を受けることが理想的です。

歯科医院はたくさんありますが、すべての歯科医院が顎関節症の専門的な治療を行っているわけではありません。一般的な虫歯治療や歯周病治療を中心に行っている歯科医院では、顎関節症の診断や治療に慣れていない場合もあるでしょう。

専門医を見分けるポイントを知っておけば、自分に合った医療機関を選ぶことができます。また、予約前に確認しておくべき事項を把握しておくことで、スムーズに治療を開始できるはずです。

適切な専門医のもとで早期に治療を始めることが、症状改善への近道となります。

専門医を見分ける5つのチェックポイント

顎関節症の専門医を見分けるために、以下の5つのポイントを確認しましょう。

1. 口腔外科の標榜があるか

歯科医院の看板やホームページに「口腔外科」の標榜があることが重要です。口腔外科を併設している歯科医院であれば、症状が重い場合の外科的な処置にも対応できるため、安心して治療を受けられます。

2. 顎関節症の治療実績が豊富か

ホームページや院内の掲示で顎関節症の治療例が紹介されているか確認しましょう。治療実績が豊富な医院では、様々なタイプの顎関節症に対応できる経験とノウハウがあります。

3. CT・レントゲンなどの検査設備が整っているか

レントゲンやCTなどの画像検査を通じて、適切な治療プランを提案できる設備が必要です。画像診断により顎骨の状態や関節の位置関係を正確に把握できます。

4. マウスピース療法などの治療オプションがあるか

顎関節症の治療には様々なアプローチがあります。マウスピース療法や理学療法など、複数の治療方法を提供している医院を選ぶと良いでしょう。

5. 他の診療科との連携体制があるか

必要に応じて整形外科や心療内科など、他の診療科と連携できる体制が整っているかも重要なポイントです。

日本顎関節学会の専門医・指導医・認定医制度について

より専門性の高い治療を受けたい場合は、日本顎関節学会が認定する専門医・指導医・認定医の資格を持つ歯科医師を選ぶという方法もあります。

日本顎関節学会では、顎関節症の診療において高い専門性を持つ歯科医師・医師を認定する制度を設けています。これらの資格を持つ医師は、厳格な教育カリキュラムや研修期間、試験などをクリアしており、顎関節症の専門的な診断・治療において確かな実績を持っています。


3つの資格制度

認定医
顎関節症を診療することの多い先生で、一定の知識・技量・経験を持つとして学会が認定した歯科医師・医師です。学会指定の講習会と筆記試験に合格し、学術大会でのポスター発表による症例報告を経て認定されます。

専門医
顎関節領域の専門研修を受け、患者さんから信頼される標準的な医療を提供できる専門家です。認定医よりもさらに高度な知識や技術・経験を持つとして学会が認定した歯科医師・医師で、より専門的な診断と治療が可能です。

指導医
専門医の中で、さらに高度な知識や技術、経験を有し、認定医や専門医などを指導する立場にあるとして学会が認定した歯科医師・医師です。顎関節症治療における最高水準の専門性を持っています。


専門医の探し方

お近くの専門医・指導医・認定医を探したい場合は、日本顎関節学会の公式ウェブサイトで地域別に検索することができます。


より専門的な診断や治療が必要な場合、あるいは他の歯科医院での治療で改善が見られない場合などは、これらの資格を持つ専門医への受診を検討されるとよいでしょう。

予約前に確認すべき3つの事項

歯科医院を予約する前に、以下の3つの事項を確認しておくとスムーズです。

1. 初診時の検査内容と所要時間
初診では問診や触診、画像検査などが行われます。予約時に初診にかかる時間を確認しておけば、仕事や予定の調整がしやすくなるでしょう。一般的には、問診と基本的な検査で30分から1時間程度が目安となります。

2. 治療費用の目安
顎関節症の治療には、保険診療と自費診療のものがあるため、事前に費用の目安を確認しておくことをおすすめします。マウスピース療法は保険適用となることが多いですが、特殊な治療や材料を使用する場合は自費診療になることもあります。

3. 予約の取りやすさと通院の頻度
顎関節症の治療は継続的な通院が必要になることがあります。予約が取りやすいか、通院の頻度はどの程度かを事前に確認しておくと、治療計画が立てやすくなるでしょう。また、急な症状悪化時に対応してもらえるかも重要なポイントです。


初診の流れと治療について

顎関節症で歯科口腔外科を受診する際、どのような検査が行われ、どのくらいの期間と費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。

初診では問診や触診、画像検査を通じて原因を特定し、症状に合わせた治療方針を決めていきます。治療期間や費用は症状の程度によって異なるため、事前に流れを理解しておくと安心です。

検査内容と診察の流れ

顎関節症の初診では、段階的に検査と診察が進められます。

1. 問診

まず、痛みの場所、症状の発生時期、日常生活での顎の使い方(例えば、歯ぎしりや食いしばりの癖があるか)などについて詳しく確認します。生活習慣や仕事の内容、ストレスの有無なども重要な情報となります。

2. 視診と触診

歯科医師が顎の動きを観察し、顎を動かす際の音の有無や痛みの箇所を確認します。また、顎周囲の筋肉の緊張状態もチェックすることで、筋肉の問題か関節の問題かを判断します。

3. 画像検査

原因を特定し、適切な治療法を決定するために、レントゲンやCTスキャンなどの画像診断を行います。これにより顎骨の状態や顎関節の位置関係、筋肉や靭帯の状態を詳しく把握できます。

4. 診断と治療計画の説明

検査結果をもとに、歯科医師が治療計画を提案します。症状の程度に応じて、生活指導やマウスピース療法、理学療法などの治療方法が選択されるでしょう。

治療期間と費用の目安

顎関節症の治療期間と費用は、症状の重さや治療方法によって変わります。

軽度の場合

生活指導や理学療法、痛み止めの処方などで対応できる場合は、数週間から2〜3ヶ月程度で症状が改善することが多いです。保険診療での費用は、初診料を含めて1回あたり数千円程度が目安となります。

中等度の場合

マウスピース(スプリント)療法を併用する場合、製作費用を含めて保険適用で5,000円〜10,000円程度かかります。治療期間は3ヶ月から半年程度が一般的で、定期的な調整のために月1〜2回の通院が必要になるでしょう。

重度の場合

他の治療が効果を示さない重度の場合、外科的処置が必要となることがあります。この場合の費用は治療内容により大きく異なり、数万円から数十万円かかることもあります。治療期間も半年以上に及ぶケースが多いです。

保険適用と自費診療の違い

顎関節症の治療では、保険診療と自費診療を選択できる場合があります。

保険適用となる治療

基本的な診察や画像検査、一般的なマウスピース療法、理学療法、薬物療法などは保険適用となります。3割負担の場合、初診から治療開始まで数千円から1万円程度で受けられることが多いでしょう。

自費診療となる治療

特殊な材料を使用したマウスピースや、高度な外科的治療、レーザー治療などは自費診療となる場合があります。また、審美的な配慮が必要な治療や、より精密な検査を希望する場合も自費診療になることがあるでしょう。

どちらを選ぶべきか

症状に合わせて適切に対応するため、自費診療になる場合には事前に相談してもらえる医院がほとんどです。まずは保険診療での治療を試してみて、効果が不十分な場合に自費診療のオプションを検討するという流れが一般的と言えます。

治療方法や費用について不明な点があれば、遠慮なく歯科医師に相談することをおすすめします。


まとめ:顎関節症で迷ったら歯科口腔外科へ

顎関節症で何科を受診すべきか迷ったら、まず歯科口腔外科を選ぶことをおすすめします。

顎の痛みや開口障害、関節音といった典型的な症状がある場合、噛み合わせや歯ぎしりが原因となっていることが多いため、口腔内を総合的に診察できる歯科口腔外科での治療が最も効果的です。耳の痛みや頭痛などの症状がある場合でも、まずは歯科口腔外科で顎関節症の診断を受け、必要に応じて他の診療科と連携する形が理想的でしょう。

専門医を選ぶ際は、口腔外科の標榜があるか、治療実績が豊富か、検査設備が整っているかなどのポイントを確認してください。初診では問診や画像検査を通じて原因を特定し、症状に合わせた治療プランが提案されます。

顎関節症を放置すると徐々に悪化する傾向にあり、重症になると食事が摂れなくなり手術に至るケースもあります。顎に違和感を覚えたら、早めに歯科口腔外科を受診して適切な治療を受けましょう。

監修者プロフィール

kanno.png

A CLINIC デンタル 統括院長 菅野友太郎

経歴

2010年 国立東北大学 卒業
2010年 都内医療法人 勤務
2013年 石川歯科 (浜松 ペリオ・インプラントセンター) 勤務
2018年 沢田通り歯科・予防クリニック 開業
2025年 A CLINIC デンタル 統括院長 就任



所属学会
5-D Japan 会員
OJ (Osseointegration study club of Japan) 会員
日本臨床補綴学会 会員
日本デジタル歯科学会 会員
TISS (Tohoku implant study society) 主催



A CLINIC デンタル 公式HP
A CLINIC デンタル 予防歯科サーチ医院紹介ページ