歯ぎしりを治す方法とは?歯ぎしりの種類や原因を詳しく解説

自覚はないけど、もしかしたら歯ぎしりをしているかも....と心当たりがある方は大勢いると思います。
もしくは、自分では全く気付かなかったけれど、ご家族に指摘されて自分が歯ぎしりをしている事がわかったという方もいるのではないでしょうか。
歯ぎしりは、積み重なると体のさまざまな場所に影響を与えるため注意が必要です。
ここでは、そもそも歯ぎしりは何なのか、なぜしてしまうのか、歯ぎしりをするとどのような事がおこるのか、そして治す方法についてご紹介します。
そもそも歯ぎしりって何?歯ぎしりの種類を解説
「歯ぎしり」と言うと歯をギリギリをこすり合わせるというイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、それだけが歯ぎしりではありません。
歯ぎしりは大きく4種類に分かれているので、それぞれどのような歯ぎしりなのかご説明します。
グラインディング(歯ぎしり)
上下の歯をあわせて、左右に強くこすり合わせる癖を「グライディング」と言います。
就寝時にすることが多い癖です。
ギリギリというような音がするので、この癖の場合は家族などに指摘されて気付くことができます。
グライディングをしている方は、歯がすり減っていたり、エラが張っていたり、歯の付け根にへこみ(くぼみ)があったりします。
クレンチング(くいしばり)
上下の歯を強く噛みしめる癖を「クレンチング」と言います。
顎を左右に動かすことがなく音がならないので、グライディングと違い指摘されることが少なく、気付きにくい癖です。
クレンチングをしている方は、歯を支えている顎の骨がでこぼこしていたり、頬の内側に歯の後が残っていたりします。
タッピング(歯を鳴らす)
上下の歯を連続で早く嚙合わせる癖を「タッピング」と言います。
カチカチと小刻みに歯が当たる音がします。
噛み合わせの強さは人それぞれで異なり、強く噛んで行う人もいます。
グライディングやクレンチングに比べると起こりにくい癖です。
ナッシング(きしませ)
特定の部分の歯をこすり合わせる癖を「ナッシング」と言います。
ナッシングをしている場合にもキシキシと音がします。
歯全体ではなく特定の部分のみをこすりあわせているので、一部の歯だけがすり減ります。
歯ぎしりはなぜ起こる?歯ぎしりの原因とは
日本人の70%もの人が歯ぎしり・食いしばりの経験があるとされていますが、歯ぎしりをしてしまうメカニズムは解明されていません。
一般的に睡眠時や集中している時、スポーツしている時などにしてしまうことが多いと言われています。
ここでは、歯ぎしりをしてしまう主な原因についてご紹介します。
ストレス
ストレスが歯ぎしりをしてしまう最も多い原因と考えられています。
睡眠時でも起きているときでも、ストレス解消のために歯ぎしりをしているとされています。
ストレスが原因の歯ぎしりは、ストレスの原因を解決しなければいけません。
ストレスの解消方法を考えつつ、歯ぎしりがひどい場合は歯医者さんで噛み合わせを確認してもらうようにしましょう。
習慣
生活習慣が歯ぎしりを引き起こしている可能性もあります。
スポーツをしている方や力仕事をしている方は、力を入れる時などに食いしばる癖などもあります。
また、飲酒や喫煙が睡眠の質を低下させて、それが歯ぎしりに結びついているケースもあります。
子どもの歯ぎしり
子どもの歯ぎしりも多く起こります。
子どもの歯ぎしりの場合には、乳歯から永久歯の生え変わりのタイミングで起こることが多く、子どもの歯ぎしりの場合は生理現象とも言えるため、そこまで気にする必要はありません。
とはいえ、もし歯が削れている場合や欠けてしまった場合は、一度歯医者さんを受診すると良いでしょう。
歯ぎしりが起こす悪影響とは?
歯ぎしりは、歯そのものや、歯を支えている骨(歯槽骨)、歯茎、顎などの広い範囲で悪い影響を及ぼしてしまいます。
ここでは具体的にどのような悪影響、症状が出てしまうのかご説明します。
歯そのものへの悪影響
直接影響があるのは、もちろん歯そのものです。
力が大きくかかることで、以下のようなことが起こる可能性があります。
- 歯がすり減る
- 歯が欠ける
- 詰め物が取れやすくなる
- 歯が割れる、ヒビが入る など
歯がすり減ったり、欠けたり、詰め物が取れたりしてしまうと、そこからしみるだけでなく、虫歯になってしまうリスクが高くなります。
歯が割れてしまった場合、抜かなければならないケースもあるため注意が必要です。
歯の周囲への悪影響
歯を支えている骨やその周りの歯茎にも以下のような悪影響があります。
- 歯茎が痩せる
- 歯周病の進行が早まる
- 骨隆起ができる
歯ぎしりで大きな力がかかると、歯周組織にも影響があり、歯周病になりやすくなってしまいます。
また骨にも影響があり、骨隆起と言われるコブができてしまいます。
骨隆起自体には痛みや噛み合わせへの影響がないものの、入れ歯ができなくなってしまったり発音などに問題が出てしまうこともあります。
顎への悪影響
歯ぎしりによって顎に悪影響が出る場合があります。
- エラが張る
- 顎関節症
歯ぎしりをすることで顎関節や咬筋に強い力がかかるために、顎関節症を引き起こしやすくなってしまいます。
また、咬筋に負担がかかることで、咬筋が発達して、エラが張ってしまいます。
歯ぎしりを治す方法は?
歯ぎしりを治すための治療は、状況や原因によりいくつかの方法があります。
ここでは、どのような方法で歯ぎしりを防ぐことができるのかをお教えします。
ナイトガード
歯ぎしりは、就寝時に多くおこなわれています。
無意識におこなっているものなので、意識して歯ぎしりを止めることはできません。
そのために、歯や顎への負担が少なくなるように就寝時にマウスピースを装着します。
症状によっては保険適用でマウスピースを作ることができる場合もあるので、歯医者さんで相談してみてください。
噛み合わせの調整
噛み合わせは永久歯が生えてから、ずっと変わらないわけではありません。
歯ぎしりで歯がすり減ってしまったり、歯周病で歯が動いてしまったり、詰め物をしたりと様々な影響で変わってしまうことがあります。
噛み合わせに異変があり歯ぎしりをしている場合には、噛み合わせを調整することで歯ぎしりの癖がなくなる場合もあります。
ストレス軽減
歯ぎしりをしてしまう原因のひとつはストレスです。
適度に運動をするなど、ストレスをため込まない生活習慣を送るように心がけましょう。
運動以外でも自分なりのストレス解消方法を見つけておくと良いでしょう。
質の良い睡眠
眠りの質が悪いと、歯ぎしりをしてしまう傾向にあると言われています。
寝る前にスマートフォンを見るのは避け、寝返りが打ちやすいように自分にあった高さの枕を選ぶようにしましょう。
禁酒・禁煙
タバコに含まれるニコチンやアルコールは眠りを妨げてしまいます。
それらを摂取しなければ、睡眠の質が向上して、より良い睡眠を取れるようになるでしょう。
急に止めることが難しい場合には少しずつ量を減らすようにしましょう。
歯ぎしりは適切な対策が重要!まずは歯医者さんで確認しよう
顎に違和感がある、家族に歯ぎしりを指摘された、歯茎が痩せたかも....など少しでも気になることがある場合には、まずは歯医者さんに相談してみましょう。
歯ぎしりは少ししただけでは、症状が無く気付かないことが多いですが、長い間おこなってしまうと歯や顎に与える影響も大きくなってしまいます。
症状が大きく出てしまう前にきちんと対処して、お口の健康を守りましょう。