歯並びが悪い 歯周病 不正咬合 歯ぎしり 矯正 2025年01月06日

歯の隙間ができる原因と治療法|症状別の対策方法を詳しく解説

歯の隙間ができる原因と治療法|症状別の対策方法を詳しく解説

歯の隙間は、見た目の問題だけでなく、お口の健康全体に関わる重要な課題です。歯科医院でよく耳にする相談の一つですが、実は隙間ができる原因は様々。年齢や生活習慣、お口の状態によっても異なります。また、放置すると進行して深刻な問題につながる可能性もあるため、適切な対処が必要です。この記事では、歯の隙間ができる原因や治療法、予防方法について、詳しく解説していきます。お口の健康のために、ぜひ最後までご覧ください。


歯の隙間ができる原因とは?

歯の隙間は、日本人の多くが抱える歯の悩みの一つです。歯科医院では「空隙歯列(くうげきしれつ)」という専門用語で呼ばれ、生まれつきの隙間と後から出来る隙間の2種類に分けられます。

生まれつきの隙間は、特に前歯の真ん中にできる「正中離開」が代表的なものとなっています。

一方、年齢とともに徐々に隙間が広がっていくケースもあり、これは主に歯周病による歯ぐきの退縮や、歯を支える骨の減少が原因です。

また、歯ぎしりや噛み癖によって歯が少しずつ移動することで、隙間ができることもあります。


正中離開(前歯の真ん中の隙間)とは

正中離開とは、上の前歯の中央2本の間に隙間がある状態を指す歯科用語です。歯科医院で相談される機会が多い症状の一つとなっています。

前歯が生えてくる際、実は中心から少し離れる方向に生えてくるという特徴があります。通常であれば、その後に隣の歯が生えてくるときに前歯を押すことで、この隙間は自然に閉じていくのです。しかし、何らかの理由でこの隙間が閉じないままになってしまうケースがあります。

隙間の大きさは個人差がありますが、一般的には2mm程度のものが多く見られます。見た目が気になることはもちろん、発音時に空気が漏れてサ行の発音がしづらくなったり、食べ物が詰まりやすくなったりと、日常生活にも影響を及ぼすことがあるでしょう。

正中離開の原因と特徴

正中離開が起こる原因は様々ですが、主なものをいくつかご紹介します。

まず、遺伝的な要因として、歯が生まれつき小さい場合や、歯の本数が通常よりも少ない場合が挙げられます。永久歯は親知らずを除いて通常28本生えてきますが、先天的に本数が足りない方もいらっしゃいます。このような場合、スペースが余ってしまい隙間ができやすくなるのです。

また、上唇小帯という上唇から歯茎にかけて伸びるヒダが、通常よりも太く長い場合も原因となります。このヒダが歯の根元近くまで伸びていると、前歯が近づこうとしても邪魔をしてしまい、隙間が残ってしまうことがあるでしょう。

さらに、幼少期の指しゃぶりや、舌で歯を押す癖も要注意です。継続的に内側から力が加わることで、徐々に歯が前方に傾き、隙間が広がっていきます。舌を出したときに縁にガタガタした跡が残っている方は、舌で歯を押している可能性があります。

治療法と費用

正中離開の治療法は、隙間の大きさや原因によって選択肢が異なります。ここでは代表的な治療法をご紹介します。

最も手軽な方法は、ダイレクトボンディング法です。歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を隙間に盛り付けて形を整える治療で、30分から1時間程度で完了します。歯を削る必要がないため、歯へのダメージを最小限に抑えられるのが特徴です。費用は2〜5万円程度が目安となります。

より審美性を求める場合は、ラミネートベニア法が適しているでしょう。前歯の表面を約0.3〜0.5mm程度薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付ける方法です。透明感のある自然な仕上がりが期待でき、費用は5〜10万円程度となります。

歯並び全体を整えたい場合や、隙間が大きい場合には矯正治療がおすすめです。ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、様々な方法があり、治療期間や費用は症状によって異なります。

予防とケアのポイント

正中離開を予防するには、原因となる習慣を改善することが大切です。

まず、舌で歯を押す癖がある方は、舌のトレーニングによって改善を目指しましょう。歯科医院で指導を受ければ、ご自宅でも継続して取り組むことができます。正しい舌の位置を意識することで、歯への余計な負担を減らせるでしょう。

お子様の場合は、指しゃぶりの癖を早めにやめることが予防につながります。また、上唇小帯が長い場合は、必要に応じて切除する処置を検討することもあります。

矯正治療を受けた後でも治療後の後戻りを防ぐためには、保定装置の着用が欠かせません。歯科医の指示に従って保定装置をしっかり使用してください。また、定期的な歯科検診を受けることで、隙間が再び広がっていないか確認できます。3〜6ヶ月に1度の検診を習慣にすることをおすすめします。


歯周病が原因の歯の隙間

歯周病による歯の隙間は、年齢とともに徐々に進行していく特徴があります。歯周病は、歯を支える骨を溶かしてしまう病気で、歯ぐきが下がり、歯の根元が露出してきます。その結果、歯と歯の間に隙間ができ始めます。特に症状が進むと、歯がグラグラしたり、歯ぐきから出血したりするようになります。歯周病による隙間は、早期発見と適切な治療で進行を防ぐことができます。

歯周病による歯の隙間の特徴

歯周病による歯の隙間には、他の原因でできる隙間とは異なる特徴があります。まず、歯の根元付近から徐々に隙間が広がっていくのが特徴です。見た目の変化としては、歯が長く見えるようになり、歯の色も根元が黄ばんでくることがあります。これは、歯ぐきが下がることで、本来見えないはずの歯の根の部分が露出するためです。

また、歯ぐきの色や形にも変化が現れます。健康な歯ぐきはピンク色で引き締まっているのに対し、歯周病が進行すると赤みを帯びて腫れてきます。歯磨き時に出血しやすくなり、時には膿が出ることもあります。朝起きた時に口の中がネバネバする、口臭が気になるといった症状も、歯周病による隙間の特徴的なサインです。

放置した場合のリスク

歯周病による隙間では、深刻なトラブルが次々と起こってきます。最も重要なのは、歯を支える骨が徐々に溶けていき、放置すると歯が抜け落ちてしまう危険があることです。歯がグラグラして食べ物が噛めなくなり、さらに隣接する健康な歯にまで影響が広がっていきます。また、歯周病菌は血液を通じて全身に運ばれるため、糖尿病や心臓病などの全身疾患にも影響を与える可能性があります。

見た目の面でも、歯ぐきが下がって歯の根元が露出し、黒ずみが目立つようになります。さらに、露出した歯の根元は虫歯になりやすく、知覚過敏(冷たいものがしみる)の症状も現れやすくなります。進行すると口臭も強くなり、周囲の人との関係にも影響が出かねません。

治療法と費用

歯周病による隙間の治療は、まず歯周病の進行を止めることから始まります。初期の場合は、歯科医院での専門的なクリーニング(歯石除去)と自宅でのケア方法の指導が中心となります。この基本的な治療は保険が適用され、数回の治療で5,000円〜1万円程度です。

症状が進行している場合は、歯ぐきの下の歯石まで取り除く「歯周ポケットの掃除」や、歯ぐきの炎症を抑える治療が必要です。さらに、隙間が気になる部分は、状態に応じて歯の詰め物やセラミックでの治療を行います。審美的な治療は自費診療となり、セラミック治療の場合1本あたり5〜15万円程度かかります。また、定期的なメンテナンスも重要で、3〜6ヶ月ごとの通院が推奨されています。

予防とケアのポイント

歯周病による隙間を防ぐには、日々の適切なケアが欠かせません。最も重要なのは、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使った丁寧な歯間清掃です。特に歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、プラーク(歯垢)が残りやすい場所なので、念入りにケアする必要があります。

歯磨きの際は強い力でこすりすぎないようにしましょう。強すぎる力で磨くと、かえって歯ぐきを傷つけ、下がりやすくなってしまいます。歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯ぐきの境目を意識して、優しく小刻みに動かすのがポイントです。

また、3〜6ヶ月に1回は歯科医院での定期検診とクリーニングを受けることをお勧めします。プロによるケアを定期的に受けることで、歯周病の初期症状を見逃さず、隙間の予防にもつながります。


加齢による歯の隙間

加齢による歯の隙間は、年齢とともに自然に起こる歯ぐきの変化が主な原因です。歯ぐきは年を重ねるにつれて少しずつ下がっていく傾向があり、これにより歯の根元が露出して隙間が目立つようになります。また、加齢に伴う顎の骨密度の低下や、口の周りの筋肉の衰えも、歯の位置関係に影響を与えます。これらは歯周病のような病気とは異なる自然な加齢現象であり、誰にでも起こりうる変化です。

加齢による歯の隙間の特徴

加齢による歯の隙間には、いくつかの特徴的な変化が見られます。まず、歯ぐきの退縮は全体的に均等に起こる傾向があり、多くの歯で同じように根元が露出してきます。これにより、歯が以前より長く見えるようになり、歯と歯の間に三角形のような隙間ができやすくなります。

この変化は通常、急激ではなく緩やかに進行します。また、歯ぐきの色は健康的なピンク色を保っていることが多く、歯周病でよく見られる赤みや腫れ、出血などの炎症症状は基本的にありません。歯がグラグラすることも少なく、噛む時の痛みもほとんどないのが特徴です。ただし、露出した歯の根元は温度や刺激に敏感になりやすく、知覚過敏を感じることがあります。

考えられる影響

加齢による歯の隙間は、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。最も気になるのは食事への影響です。歯の根元が露出することで冷たいものや熱いものがしみやすくなり、食事の楽しみが減ってしまうことがあります。また、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなるため、外食時に気を使うことも増えてきます。

見た目の面では、笑った時に歯の隙間や黒ずんだ歯の根元が見えることで、心理的な負担を感じる方も少なくありません。さらに、露出した歯の根元は通常の歯の表面より柔らかいため、虫歯になりやすいという特徴があります。ただし、適切なケアと定期的な歯科検診を行えば、これらの影響を最小限に抑えることが可能です。

推奨される治療法

加齢による歯の隙間に対しては、まず定期的な歯科検診による経過観察が基本となります。これは自然な加齢現象であり、必ずしも積極的な治療が必要というわけではありません。ただし、歯の根元が露出することで虫歯のリスクが高まるため、予防的なケアが重要です。

歯科医院での定期的なクリーニングと、適切な歯磨き指導を受けることで、多くの場合は健康な状態を維持できます。知覚過敏などの症状が気になる場合は、歯科医院で塗布する薬剤やホームケア用の知覚過敏抑制剤で対応できます。

なお、すでに詰め物や被せ物がある場合は、それらが古くなって隙間が気になってきた際に、新しいものに取り替えることで改善できることもあります。また、気になる部分だけをダイレクトボンディングで修復する方法もあります。いずれの場合も、まずは歯科医師に相談し、経過観察を行いながら、必要に応じて適切な治療法を検討していくことをお勧めします。

予防とケアのポイント

加齢による歯の隙間のケアで最も重要なのは、露出した歯の根元の保護です。歯ブラシは必ず柔らかめのものを選び、強くこすりすぎないよう注意しましょう。歯磨きの際は、歯ブラシの毛先を45度の角度で当て、小刻みに優しく動かすのがポイントです。

歯と歯の間の清掃には、歯間ブラシが効果的です。ただし、サイズが合っていないものを使うと歯ぐきを傷つける可能性があるため、歯科医院で適切なサイズを確認してもらいましょう。また、露出した歯の根元は知覚過敏になりやすいため、刺激の少ない歯磨き粉を使うことをお勧めします。

定期的な歯科検診も重要で、3〜4ヶ月に1回程度の受診が望ましいでしょう。検診では、歯の隙間の変化や歯の状態をチェックし、必要に応じて専門的なクリーニングを受けることができます。


歯ぎしり・噛み癖による歯の隙間

歯ぎしりや噛み癖による歯の隙間は、長期間の習慣的な力によって引き起こされます。歯ぎしりは就寝中に無意識で起こることが多く、強い力で歯を噛みしめたり擦り合わせたりすることで、徐々に歯の位置がずれていきます。また、普段から歯を強く噛みしめる癖がある場合も同様の影響があります。これらの習慣が続くと、前歯に隙間ができるだけでなく、歯並び全体が変化してしまう可能性があります。

歯ぎしりが引き起こす歯の隙間の特徴

歯ぎしりや噛み癖による歯の隙間には、特徴的な症状が現れます。まず、歯並び全体が外側に広がっていく傾向があり、前歯だけでなく奥歯の間にも隙間ができやすいのが特徴です。また、歯の表面が平らに削れていたり、歯の先端が欠けていたりすることも多く見られます。

歯ぎしりをしている自覚がない方でも、朝起きた時に顎が疲れている、頭痛や首の痛みがある、パートナーから歯ぎしりの音を指摘されるといった症状があれば要注意です。さらに、歯の表面を観察すると、歯の先端が透明に見える(歯質が薄くなっている)ことがあります。このような症状は、歯ぎしりによる影響の可能性が高いサインです。

放置した場合のリスク

歯ぎしりや噛み癖による歯の隙間を放置すると、様々な問題が連鎖的に起こってきます。まず、歯の位置が徐々に変化することで、噛み合わせのバランスが崩れていきます。これにより、顎関節に負担がかかり、口を開けづらくなったり、顎から音が出たりする症状(顎関節症)が現れることがあります。

また、歯に過度な力がかかり続けることで、歯の表面が徐々に削れていき、知覚過敏の原因となります。さらに深刻な場合は、歯の神経に近いところまで削れてしまい、痛みを感じるようになることも。歯の隙間が広がることで、見た目の問題だけでなく、食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

治療法と費用

歯ぎしりや噛み癖による歯の隙間の治療は、原因と症状の両方へのアプローチが必要です。まず優先されるのが、歯ぎしりの予防です。就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用することで、歯ぎしりによる歯への負担を軽減できます。マウスピースは歯科医院で作製する必要があり、費用は2〜5万円程度です。

すでにできてしまった隙間に対しては、状態に応じて適切な治療法を選択します。治療方法の選択は、隙間の程度や歯並びの状態、患者さんの希望などを考慮して歯科医師と相談しながら決めていきます。また、歯ぎしりの原因がストレスにある場合は、生活習慣の改善や専門医への相談も推奨されます。

予防とケアのポイント

歯ぎしりや噛み癖による歯の隙間を防ぐには、早めの気づきと対策が重要です。日中、意識的に歯を軽く離した状態を保つよう心がけましょう。スマートフォンのアプリなどで定期的にリマインドを設定すると、噛みしめ癖の改善に役立ちます。

また、ストレス管理も大切な予防法の一つです。過度な緊張やストレスは無意識の歯ぎしりを引き起こしやすいため、軽い運動やストレッチ、深呼吸などでリラックスすることを心がけましょう。夜間の歯ぎしり防止には、就寝前のストレッチや温かい飲み物で身体をリラックスさせるのも効果的です。

定期的な歯科検診も欠かせません。歯の摩耗や位置の変化を早期に発見することで、重症化を防ぐことができます。


親知らずと奥歯の問題による歯の隙間

親知らずや奥歯の問題による歯の隙間は、歯列全体のバランスが崩れることで起こります。とくに奥歯を失ったまま放置すると、残った歯が徐々に後ろに傾いていき、前歯に隙間ができやすくなります。また、スペースが不足した状態で親知らずが生えてくると、他の歯を押し合うように移動させ、前歯に隙間を作ることがあります。これらの問題は早期発見と適切な処置が重要です。

親知らず・奥歯の問題による歯の隙間の特徴

親知らずと奥歯の問題による歯の隙間には、特徴的な症状の進行パターンがあります。奥歯を失った場合、最初は目立った変化がないように見えますが、徐々に隣接する歯が失った歯の方向へ傾いていきます。この動きは連鎖的に前に伝わり、最終的に前歯に隙間が現れます。歯が後ろに傾く過程で、噛み合わせも少しずつ変化していきます。

親知らずの場合は、歯が生えてくる際の圧力で歯列に変化が起きます。特に下の親知らずが斜めに生えてくると、前方の歯を押し上げるように作用し、前歯に隙間ができやすくなります。また、この過程で奥歯の辺りに違和感や痛みを感じることもあります。

放置した場合のリスク

親知らずと奥歯の問題による歯の隙間は、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。まず、歯列の乱れによって噛み合わせが変化するため、食べ物が噛みづらくなったり、片側でしか噛めなくなったりすることがあります。これにより、顎関節に負担がかかり、顎の痛みや頭痛の原因となることも。

また、歯と歯の間に新たな隙間ができることで、食べ物が詰まりやすくなります。特に奥歯の場合、歯磨きが行き届きにくい場所なので、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、親知らずが斜めに生えてくると、隣の歯の根を圧迫して痛みを引き起こしたり、歯茎に炎症を起こしたりすることがあります。

治療方法と費用

親知らずと奥歯の問題による歯の隙間の治療は、原因に応じて適切な方法を選択します。親知らずが原因の場合、まず歯科医院でレントゲン検査を行い、親知らずの生える方向や位置を確認します。歯列に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、抜歯を検討します。この処置は多くの場合、保険診療の対象となります。

奥歯を失った場合の治療には、主に「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つの選択肢があります。特に他の歯に負担をかけにくいインプラントは、歯列の安定性を保つ点で優れています。ただし、顎の骨の状態によって治療可能かどうかが決まるため、詳しい検査が必要です。治療法の選択は、口腔内の状態や費用面を考慮して、歯科医師と相談しながら決めていきましょう。

予防とケアのポイント

親知らずと奥歯の問題による歯の隙間を防ぐには、定期的な歯科検診が重要です。とくに親知らずが生え始める10代後半から20代にかけては、年に1回以上のレントゲン検査で親知らずの状態を確認することをお勧めします。これにより、問題が起きる前に適切な対処が可能になります。

奥歯のケアも大切です。虫歯や歯周病で奥歯を失わないよう、丁寧な歯磨きを心がけましょう。奥歯は歯ブラシが届きにくいため、歯ブラシの向きを工夫したり、デンタルフロスや歯間ブラシを使用したりすることが効果的です。また、強い衝撃で歯が折れることを防ぐため、固いものを噛む習慣は控えめにすることをお勧めします。


その他の原因による歯の隙間

歯の隙間は、これまでに説明した原因以外にもさまざまな要因で生じることがあります。例えば、舌を前に押し出す癖や、歯と歯の間に爪楊枝を頻繁に使用する習慣なども原因となります。また、過度な力での歯磨きや不適切な歯間ケアによっても、徐々に歯の隙間が広がることがあります。さらに、事故やケガなどの外傷が原因で、歯の位置が変化して隙間ができることもあります。

舌の位置や癖による影響

舌の位置や癖による歯の隙間は、日常的な舌の圧力が原因で起こります。健康な状態では、舌は上顎の奥に軽く触れる位置にありますが、舌を前に押し出す癖がある場合、その力で徐々に前歯が前方に押し出されていきます。この習慣は無意識に行われることが多く、気づかないうちに歯の隙間が広がっていきます。

舌の癖があるかどうかは、鏡を見ながら確認できます。舌を出したときに、舌の縁にガタガタとした跡(歯型)が付いているのは、日常的に舌が歯を押している可能性があるサインです。また、会話や食事の際に舌が前歯の間から見えやすい場合も要注意です。

不適切な歯間ケアの影響

不適切な歯間ケアは、思わぬ形で歯の隙間を広げてしまう原因となります。特に気をつけたいのが、爪楊枝の使用です。食べ物が詰まった時に爪楊枝を無理に押し込むと、歯と歯の間を少しずつ広げてしまい、さらに食べ物が詰まりやすい状態を作ってしまいます。

また、歯間ブラシやデンタルフロスのサイズが合っていない場合も注意が必要です。大きすぎる歯間ブラシを無理に使用すると、歯ぐきを傷つけたり、歯の間を徐々に広げたりする原因になります。適切なサイズは歯科医院で確認してもらうのがベストで、歯間清掃具は抵抗なくスッと入る程度のものを選びましょう。

外傷や疾患による影響

外傷や疾患による歯の隙間は、突発的に発生することが特徴です。スポーツや事故などで歯に強い衝撃を受けると、歯が移動したり、歯を支える骨に影響が出たりして隙間ができることがあります。特に前歯は外傷を受けやすい場所にあるため、注意が必要です。

また、歯の表面に亀裂(ひび)が入る「破折」という状態になると、少しずつ隙間が広がっていく可能性があります。この場合、温かい物や冷たい物がしみる、噛むと痛いといった症状を伴うことがあります。さらに、歯の根の部分に膿が溜まる根尖性歯周炎などの疾患によっても、歯の位置が変化して隙間ができることがあります。

それぞれの対処法

それぞれの原因による歯の隙間には、適切な対処法があります。舌の癖による隙間は、歯科医院での「舌癖の矯正」というトレーニングで改善できます。このトレーニングでは、正しい舌の位置を覚え、無意識の習慣を改善していきます。

歯間ケアが原因の場合は、まず適切な道具の使用方法を歯科医院で確認しましょう。爪楊枝の使用は避け、代わりに正しいサイズの歯間ブラシやデンタルフロスを使うことが大切です。

外傷や疾患が原因の場合は、早めの歯科受診が重要です。特に歯に痛みやしみる症状がある場合は、放置すると症状が悪化する可能性があるため、できるだけ早く受診することをお勧めします。


【Q&A】歯の隙間に関するよくある質問

歯の隙間について、患者さんからよく寄せられる質問をまとめました。「子どもの歯の隙間は治療が必要?」「歯の隙間は年齢とともに広がる?」「隙間が気になる場合、どの程度で歯科医院を受診すべき?」など、気になる疑問について、それぞれの状況に応じた対応方法を解説します。また、保険診療と自費診療の違いについても説明していきます。

Q1:子どもの歯の隙間はそのまま放置して大丈夫?

永久歯が生えてくる時期(7〜12歳頃)の歯の隙間は、多くの場合自然なものです。特に上の前歯の間の隙間は、両隣の永久歯が生えてくる際に自然と閉じていくことが多いため、すぐに治療する必要はありません。ただし、大きな隙間が気になる場合や、歯並びに他の問題がある場合は、歯科医院での検査をお勧めします。

Q2:歯の隙間は年齢とともに自然に広がっていく?

すべての人の歯の隙間が年齢とともに広がるわけではありません。ただし、歯周病や不適切な歯磨き習慣、歯ぎしりなどの要因がある場合は、年齢とともに隙間が広がっていく可能性があります。定期的な歯科検診と適切なケアを続けることで、隙間の拡大を防ぐことができます。

Q3:歯の隙間ができ始めたら、どのタイミングで歯科医院に行くべき?

新しく隙間ができたことに気づいたり、既存の隙間が広がってきたと感じたりした場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。特に、歯ぐきの腫れや出血、痛みなどの症状を伴う場合や、急に隙間が広がった場合は、早めの受診が重要です。

Q4:歯の隙間の治療は保険が使える?

歯の隙間の治療は、原因や治療方法によって保険適用が異なります。歯周病が原因の場合の治療や、虫歯による隙間の治療は保険が適用されます。一方、見た目の改善を目的としたセラミック治療やマウスピース矯正などは自費診療となります。詳しい費用は、治療法によって異なるため、歯科医院での相談時に確認しましょう。

Q5:歯の隙間を予防するために、普段から気をつけることは?

歯の隙間を予防するには、原因となる要素をしっかり理解して対策することが大切です。まず、歯周病予防のために正しい歯磨き方法を身につけましょう。特に歯ブラシは強い力でこすらず、歯と歯ぐきの境目を意識して優しく磨くことが重要です。

また、奥歯を失うと歯並び全体に影響が出るため、虫歯予防も欠かせません。3〜6ヶ月に1回の定期検診で、歯の状態をチェックしてもらうようにしましょう。歯ぎしりの習慣がある方は、早めに歯科医院に相談することをお勧めします。

さらに、かたい物を頻繁に噛んだり、爪楊枝を使用したりする習慣は、歯の隙間を作る原因となるため避けましょう。正しい歯間ケアの方法は、歯科医院で確認することをお勧めします。


まとめ:歯の隙間は原因に応じた適切な治療と予防が大切

歯の隙間は、歯周病、加齢、歯ぎしり、親知らずの問題など、様々な原因で起こります。それぞれの原因によって適切な治療法や予防法が異なるため、まずは歯科医院での正確な診断が重要です。放置すると隙間が広がるだけでなく、噛み合わせの悪化や虫歯、歯周病のリスクも高まります。定期的な歯科検診で早期発見・早期治療を心がけ、正しい歯磨き習慣を身につけることで、健康的な歯を保つことができます。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院に相談しましょう。

監修者プロフィール

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市川おとなこども歯科・矯正歯科 院長 伊藤慎一郎

経歴

2016年 東京歯科大学卒業
2018年 都立墨東病院 歯科口腔外科 臨床研修歯科医 修了
2022年 東京歯科大学大学院口腔顎顔面外科学講座 修了
2022年 東京歯科大学薬理学講座 助教
2025年 市川おとなこども歯科口腔外科・矯正歯科 開院


所属学会

日本口腔外科学会 (認定医)
日本骨代謝学会
日本歯科基礎医学会


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