顎関節症にボトックス治療は効果的?保険適用の条件やメリットデメリットを詳しく解説

顎関関節症の治療のためにボトックス治療が受けられる歯科医院が増えてきています。
顎関節症は、食いしばりや歯ぎしりで痛くなってしまったり、肩こりや頭痛なども引き起こしてしまうこともあります。
また、顎の筋肉が発達してしまい、お顔が大きくなってしまいます。
顎関節症でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
顎関節症にボトックス治療は効果的?
顎関節症を治すためにボトックス治療が効果的と最近では話題になっています。
しかし、ボトックス治療と言えば、美容医療とイメージする方がほとんどなのではないでしょうか。
この記事では、本当にボトックス治療は顎関節症に効果があるのか、またボトックス治療のできない場合や費用面についてご説明します。
ボトックス治療は症状によっては顎関節症に効果がある
顎関節症は、お口が開けにくくなったり、噛みにくくなったり、顎の周囲に痛みや違和感が現れます。
顎関節症になるのには以下のような原因があります。
- 筋肉の異常
- 関節靭帯の異常
- 関節円板の異常
- 骨の異常
ボトックス治療は、筋肉の異常によって起こってしまった顎関節症に有効です。
ボトックスとは、筋肉の動きを抑制する作用がある、ボツリヌストキシンという成分から毒素を取り除きタンパク質成分を抽出した医薬品です。
このボトックスを顎の筋肉に注射することで、噛むために使う筋肉(咬筋・側頭筋)が発達し、強くなりすぎてしまった噛む力を弱め、痛みを軽減する効果が期待できます。。
ボトックス治療ができない場合とは?
ボトックス治療は、症例によって顎関節症に効果が期待できますが、該当する症例でも全ての人におすすめできる訳ではありません。
例えば以下に該当する場合は、ボトックス治療を行うことができない場合があります。
- 妊娠中の方、授乳中の方・3ヶ月以内に妊娠を希望している方
- がん治療中の方、治療後3ヶ月以内の方
- 重篤な心疾患、肝疾患、腎疾患がある方
- 喘息など呼吸器の病気がある方
- 神経筋接合部疾患のある方
- 過去にボトックス治療でアレルギーが出た方
- ヘルペスがある方
上記に当てはまる方は、ボトックス治療を受けることができまない場合があります。
また、歯科医院によって、規定が異なるので事前に確認し、疾患がある場合などはしっかりと歯科医師に相談してください。
また、併用するのに注意が必要な薬剤もあるため、日常的に服用しているお薬がある場合は歯科医師に申告しましょう。
ボトックス治療の費用相場
歯科医院でのボトックス治療の費用は、1万5,000円~6万円程度となっています。
ボトックス治療は自由診療なので、歯科医院が金額を決めることができ、かなり費用面に幅があります。
歯科医院によっては、ジェネリックの薬剤を使用するため費用を抑えることができる場合もあります。
また、症状によって薬剤の量が異なるため、詳細な金額は歯科医院で確認すると良いでしょう。
顎関節症のボトックス治療は保険適用できる?
顎関節症の治療としてボトックス治療を行う場合は、多くの場合で自由診療となります。
2024年4月現在で、ボトックス治療で保険適用が認められているのは「口顎ジストニア」といった一部の症例のみです。
顎関節症治療でボトックス治療が保険適用になるケースはほとんどありませんが、気になる方はかかりつけ医に診断をしてもらうと良いでしょう。
顎関節症のボトックス治療のメリットデメリット
ここまで、ボトックス治療について説明をしてきましたが、メリットもデメリットもある治療になります。
治療を受けてから、「思ったような効果がない…」などとがっかりしないためにしっかりとメリットもデメリットも把握してから治療を受けましょう。
【メリット】 短期間で効果が実感できる
個人差はありますが、食いしばりや噛みしめによる顎関節症の症状が治まってきたと感じるまでにかかる時間は早ければ、2〜3日ほどです。
3週間~1ヶ月ほどが経過すると、最大の効果が現れる事が多いです。
注射を打つという治療なので、治療自体にかかる時間はとても短いので、忙しい方にもおすすめです。
【メリット】小顔効果が得られる
ボトックス治療は筋肉の力をコントロールする効果があるので、食いしばりや歯ぎしりによって鍛えられた筋肉の緊張を解きほぐします。
これによって、こわばっていた筋肉が収縮するので小顔効果が得られます。
【デメリット】腫れや内出血を起こす場合も
ボトックス治療はお顔に注射をするので、内出血を起こす場合もあります。
内出血が消えるまでは、2週間ほどかかります。
メイクで隠していただける程度で収まることが多いです。
全ての方に内出血が起こってしまうわけではないですが、大事なイベントなどがある場合にはしっかり時期などを考慮してから治療を受けてください。
【デメリット】効果は3〜6ヶ月程度で切れる
ボトックス治療の効果は永続的なものではありません。
1回の治療で長く効果が得られる方もいますが、3~6ヶ月程度の場合が多いです。
効果がなくなり、顎関節症の症状が再度現れる場合には、再度ボトックス治療を受けることも可能です。
その場合には、3か月以上期間を空けてから治療を受けるようにしてください。
【デメリット】徐々に耐性がつき、効果が出なくなる
複数回、ボトックス治療を受けることができますが、ボトックス治療を受け続けることで、抗体ができてしまい、効果が得られなくなる可能性があります。
頻繁にボトックス治療を受けてしまうと、抗体ができやすくなるので、3ヶ月以上は空けて治療を受けるようにしましょう。
顎関節症のボトックス治療はかかりつけ医に相談しよう
顎関節症のボトックス治療は、短期間で気軽にできる点や、小顔効果など副次的な効果があるため人気の治療方法です。
一方で、症例や体質によってはボトックス治療を受けても効果がない場合や、そもそも治療ができない場合があります。
顎関節症にお悩みで、ボトックス治療を検討している方は、自身の症状がボトックス治療によって軽減することがあるのか、かかりつけの歯科医師に相談してみてください。