知覚過敏 2024年08月06日

知覚過敏は自然に治る?知覚過敏の仕組み、治し方をご紹介

知覚過敏は自然に治る?知覚過敏の仕組み、治し方をご紹介

冷たいアイスを食べたり、熱いコーヒーを飲んだりしたとき、突然歯がキーンとしみたことはありませんか?この症状、実は「知覚過敏」かもしれません。知覚過敏は多くの人が経験する歯の悩みの一つですが、「放っておいても大丈夫?」「自然に治る?」といった疑問を持つ方も多いはず。

この記事では、知覚過敏の原因から自然治癒の可能性、さらには効果的な治療法まで、詳しくご紹介します。歯がしみる悩みを抱えている方はもちろん、健康な歯を保ちたい全ての方にとって役立つ情報が満載です。一緒に、快適な毎日のための歯のケア方法を学んでいきましょう!

知覚過敏の原因と仕組み

知覚過敏は、冷たい飲み物や熱いコーヒーを飲んだ時に、キーンと歯がしみる症状のことです。この症状が起こる仕組みを理解するには、まず歯の構造を知ることが大切です。

歯の表面は、とても硬いエナメル質という層で覆われています。このエナメル質には神経が通っていないので、普通は温度を感じません。でも、エナメル質の下には象牙質という層があって、ここには小さな管(象牙細管)が無数にあり、その中を神経が通っているんです。

実は、象牙質には種類があります。歯が最初に作られた時にできる「一次象牙質」、その後ゆっくりと継続的に形成される「二次象牙質」、そして刺激や傷害に反応して作られる「三次象牙質(修復象牙質)」です。この三次象牙質は、歯が外部刺激から身を守るための防御反応として形成される特別な象牙質なんです。

知覚過敏は、このエナメル質が薄くなったり、なくなったりして象牙質が露出することで起こります。露出した象牙質に冷たいものや熱いものが触れると、その刺激が神経に伝わって、ビリッとした痛みを感じるわけです。

原因はいくつかあります。例えば、強い力で歯を磨きすぎると、少しずつエナメル質が削れていきます。歯ぎしりも同じ効果があります。また、コーラなどの酸性の飲み物をよく飲む人は、酸によってエナメル質が溶けやすくなります。歯周病で歯茎が下がると、元々エナメル質で覆われていない歯の根元が露出して、知覚過敏を引き起こすこともあります。

知覚過敏は自然に治る?

知覚過敏、実は軽度なら自然に治ることもあるんです。でも、そのまま放っておいて大丈夫なの?という疑問が出てきますよね。実は、知覚過敏の程度によって対応が変わってきます。軽い症状なら自然に、あるいは自宅でのケアで改善する可能性がありますが、進行した症状の場合は自然治癒を期待するのは難しいかもしれません。それぞれのケースについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

軽度の知覚過敏が自然に治るメカニズム

軽度の知覚過敏が自然に治ることがあるのは、実は歯が持つ自己修復機能のおかげなんです。ここで活躍するのが、先ほど説明した「三次象牙質(修復象牙質)」です。

象牙質が露出して刺激を受けると、歯の内側にある歯髄(神経や血管が通っている部分)が反応して、露出部分の内側に新しい象牙質を作り始めます。これが三次象牙質です。この三次象牙質が形成されることで、象牙細管が内側から徐々に塞がれ、刺激が神経に伝わりにくくなっていきます。つまり、歯が自分で「バリア」を作って、敏感になった部分を保護してくれるわけです。

また、唾液に含まれるミネラル成分によって、露出した象牙質の表面が再石灰化され、象牙細管の入り口が塞がれることもあります。こうした自然な修復プロセスによって、軽度の知覚過敏は時間とともに改善することがあるんです。

ただし、この自然治癒のプロセスには時間がかかります。数週間から数ヶ月かかることもあるので、その間は適切なケアを続けることが大切です。

進行した知覚過敏は自然治癒は難しい

知覚過敏が進行してしまうと、自然に治るのを待つだけでは改善が難しくなります。進行した知覚過敏とは、冷たいものや熱いものでしみる痛みが長く続いたり、強い痛みを感じたりする状態です。この段階では、歯の表面のエナメル質がかなり薄くなっていたり、象牙質の露出が広がっていたりする可能性が高いんです。

また、象牙質の露出範囲が大きすぎたり、刺激が強すぎたりすると、歯髄が三次象牙質を十分に形成できない場合もあります。継続的な強い刺激によって、歯髄自体がダメージを受けてしまうこともあるんです。

そのまま放置すると、症状がさらに悪化する恐れがあります。例えば、痛みのために歯磨きが十分にできなくなると、プラークがたまりやすくなって虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、継続的な刺激によって歯の神経が炎症を起こし、より深刻な歯の問題につながる可能性もあるんです。

だから、進行した知覚過敏の症状がある場合は、自然治癒を期待するよりも、歯科医院で適切な治療を受けることをおすすめします。歯科医師が症状の原因を特定し、最適な治療方法を提案してくれますよ。

軽度の場合は自宅で対策も可能

知覚過敏の症状が軽度な場合、実は自宅でのケアで改善できることもあるんです。軽度の症状とは、冷たいものや熱いもので一時的にしみる程度で、その痛みがすぐに(2〜3秒程度で)おさまる状態を指します。

自宅でできる対策としては、まず知覚過敏用の歯磨き粉を使うことがおすすめです。これらの歯磨き粉には、歯の再石灰化を促す「フッ素」や「ハイドロキシアパタイト」、神経の興奮を抑える「硝酸カリウム」などの成分が含まれています。これらの成分は、象牙細管を塞いだり、三次象牙質の形成を助けたりする効果が期待できます。継続して使用することで、症状が和らいでいく人も多いんですよ。

また、歯磨きの仕方を見直すのも大切です。強い力で磨きすぎると、かえって歯を傷めてしまいます。優しく丁寧に磨くことを心がけましょう。酸性の飲み物を控えめにしたり、飲んだ後すぐに水でうがいをしたりするのも効果的です。

ただし、自宅でのケアを続けても症状が改善しない場合や、痛みが強くなってきた場合は、やはり歯科医院での診察をおすすめします。

知覚過敏の治療方法

知覚過敏の症状が気になる方、実は様々な治療方法があるんです。自宅でできるケアから歯科医院での専門的な治療まで、症状の程度に応じて選択できます。ここでは、よく行われている知覚過敏の治療方法についてご紹介します。

まず、自宅でできる方法としては、先ほど触れた知覚過敏用の歯磨き粉の使用が挙げられます。これは軽度の症状改善や予防に効果的です。

歯科医院での治療には、いくつかの選択肢があります。一つは、歯の表面に特殊な薬剤を塗布する方法です。この薬剤が象牙細管を塞いで、刺激が神経に伝わるのを防ぎます。即効性があり、多くの患者さんに効果が見られます。

また、レーザー治療も注目されています。レーザーを使って歯の表面を処理することで、象牙細管を封鎖し、知覚過敏を軽減する方法です。痛みも少なく、効果も長続きすると言われています。

さらに進行した症状の場合は、歯の表面をレジン(歯科用プラスチック)でコーティングする方法もあります。これにより、露出した象牙質を保護し、外部からの刺激を遮断することができます。

最後に、知覚過敏の原因が歯ぎしりである場合は、就寝時にマウスピースを装着することで症状の改善が期待できます。

どの治療法が最適かは、症状の程度や原因によって異なります。歯科医師と相談しながら、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。

知覚過敏が気になるなら歯医者を受診

知覚過敏の症状が気になり始めたら、早めに歯医者さんに相談するのがおすすめです。なぜなら、知覚過敏と思っていた症状が、実は虫歯や歯周病の初期症状だったということもあるからです。

歯医者さんでは、まず詳しい検査を行います。例えば、冷たい空気や水を歯にあてて反応を見たり、特殊な器具で歯の表面をチェックしたりします。これによって、本当に知覚過敏なのか、それとも他の歯の問題なのかを見極めることができます。

また、知覚過敏の原因も特定できます。歯ぎしりが原因なのか、歯磨きの仕方に問題があるのか、それとも歯周病で歯茎が下がっているのか。原因がわかれば、それに応じた最適な治療方法を提案してもらえます。

さらに、自分では気づきにくい歯の問題も発見できる可能性があります。例えば、歯の裏側や奥歯の状態なんかは、自分では確認しづらいですよね。

早めの受診には、もう一つ大きなメリットがあります。それは、症状が軽いうちなら、比較的簡単な治療で改善できる可能性が高いということ。症状が進行してしまうと、より複雑で時間のかかる治療が必要になることもあります。

もし知覚過敏の症状に悩んでいるなら、我慢せずに歯医者さんに相談してみましょう。適切な診断と治療で、快適な毎日を取り戻すことができますよ。

監修者プロフィール

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A CLINIC デンタル 統括院長 菅野友太郎

経歴

2010年 国立東北大学 卒業
2010年 都内医療法人 勤務
2013年 石川歯科 (浜松 ペリオ・インプラントセンター) 勤務
2018年 沢田通り歯科・予防クリニック 開業
2025年 A CLINIC デンタル 統括院長 就任


所属学会
5-D Japan 会員
OJ (Osseointegration study club of Japan) 会員
日本臨床補綴学会 会員
日本デジタル歯科学会 会員
TISS (Tohoku implant study society) 主催



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