歯茎が痛い 歯がしみる 2024年08月27日

歯茎を磨きすぎていませんか?痛みや傷、歯茎が下がるリスクと対策方法

歯茎を磨きすぎていませんか?痛みや傷、歯茎が下がるリスクと対策方法

歯を磨くことは、虫歯や歯周病を防ぐために欠かせない習慣ですが、正しい方法で磨かなければ、逆に歯や歯茎にダメージを与えてしまうことがあります。特に、歯を強い力で磨くこと・過度に時間をかけて磨くこと「オーバーブラッシング」と言います。オーバーブラッシングは、痛みや傷を引き起こし、歯茎が下がる原因にもなり得ます。この記事では、歯茎を磨きすぎた際のリスクや対策、正しい歯磨き方法について詳しく解説していきます。歯茎の健康を守るために、今一度ご自身の歯磨き習慣を見直してみませんか?

歯茎を磨きすぎるとどうなる?主な症状とリスク

歯茎を磨きすぎると、様々な症状が現れることがあります。主な症状としては、歯茎が傷ついたり、痛みを感じることが一般的です。また、オーバーブラッシングが続くと、歯茎が下がるリスクが高まり、歯の根が露出することにより知覚過敏を引き起こす場合もあります。これらの問題は、放置すると歯や歯茎の健康に深刻な影響を与えるため、早めの対処が必要です。

歯茎が下がる原因とメカニズム

歯を強く磨きすぎることで、歯茎の組織が摩耗し、徐々に下がっていくことがあります。このメカニズムは、歯と歯茎の境目が過剰な力によって損傷し、健康な歯茎の位置が維持できなくなるためです。歯茎が下がると、歯の根が露出し、知覚過敏や虫歯のリスクが高まることもあります。

磨きすぎによる痛みや傷

歯を磨きすぎると、歯茎に痛みや傷が生じることがあります。特に硬い歯ブラシを使っている場合や、強い力で磨いていると、歯茎に細かい傷ができやすくなります。このような傷は、初期段階では歯茎が赤く腫れる程度かもしれませんが、進行すると出血することもあり、炎症がひどくなると歯茎が痛んで食事がしにくくなる場合もあります。適切な力加減で歯を磨かないと、こうした問題が頻繁に起こることがあります。

知覚過敏と歯茎の下がりについて

歯茎が下がることで、歯の根が露出し、知覚過敏が発生することがあります。冷たい飲み物や熱い食べ物に触れると、鋭い痛みが走るのはこの知覚過敏が原因です。また、歯茎が下がることで、歯の保護が弱まり、さらに虫歯になりやすくなる可能性もあります。知覚過敏は歯磨きの強さや方法を改善することで予防できる場合がありますが、症状が出てしまったら早めの治療が必要です。

歯茎を磨きすぎた際の対処法

歯茎を磨きすぎてしまった場合、すぐに適切な対処を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。オーバーブラッシングによって傷ついた歯茎や知覚過敏をケアするための方法をいくつかご紹介します。

磨き傷の治し方

オーバーブラッシングによって歯茎に傷ができた場合は、まず磨き方を見直すことが重要です。硬い歯ブラシを使用している場合は、やわらかい歯ブラシに切り替え、力を入れすぎずに磨くことを心がけましょう。また、歯茎の炎症が進んでいる場合は、抗炎症作用のあるマウスウォッシュを使用するのも効果的です。場合によっては、歯科医の診断を受け、必要に応じて専門的な治療を受けることも検討しましょう。

知覚過敏への対策

知覚過敏が生じている場合、専用の歯磨き粉を使用することが有効です。知覚過敏用の歯磨き粉は、歯の神経に刺激が届くのを防ぐ成分が含まれており、症状を和らげる効果があります。また、冷たい飲み物や熱い食べ物を避けるなど、日常生活での刺激を軽減することも大切です。定期的な歯科受診を通じて、歯茎の状態をチェックし、早期に適切な対策を取ることが重要です。

歯茎が下がった場合の治療法

歯茎が下がってしまった場合、歯科医による治療が必要です。軽度の場合は、正しいブラッシング方法を身につけることで進行を防ぐことができますが、進行したケースでは歯茎を再生するための手術が必要になることもあります。歯茎を再生する手術では、歯茎の移植や歯の根を覆う処置が行われ、健康な歯茎を取り戻すことが可能です。早めに歯科医に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

正しい歯磨き方法と歯ブラシの選び方

歯茎を守るためには、正しい歯磨き方法と適切な歯ブラシの選び方が重要です。オーバーブラッシングによる歯茎へのダメージを避けるためには、歯を優しく磨くテクニックを身につけ、自分の口内に合った歯ブラシを選ぶことが必要です。しかし、自己判断で最適な歯ブラシを選ぶのは難しいこともあるため、歯科医院で歯磨きの指導(TBI: Tooth Brushing Instruction)を受けたり、専門家に歯ブラシを処方してもらうことが非常に有効です。

力を入れすぎないブラッシングテクニック

オーバーブラッシングを防ぐには、まず力を入れすぎないブラッシングテクニックを習得することが大切です。歯科医院でのTBIでは、個々の歯や歯茎の状態に合わせた歯磨き方法を教えてもらえるため、効果的なブラッシングが可能になります。特に、歯茎に優しく歯を磨くための基本テクニックとして、次の方法が推奨されます。

  • 歯ブラシを歯の表面に直角(90度)に当てて、小刻みに横に動かす:1〜2本の歯を対象に、軽い力で10〜20回程度往復させながら磨いていきます。
  • 短いストロークで磨く: 長い動きではなく、短く優しいストロークで磨くことで、歯茎にかかる力が軽減されます。歯科医院で指導を受けることで、力加減やストロークの長さなど、適切な磨き方を学ぶことができます。

磨きすぎを防ぐ歯ブラシの選び方

歯茎に優しい歯ブラシを選ぶことも重要です。硬い毛のブラシは、オーバーブラッシングを引き起こしやすいため、やわらかめの毛を選ぶと良いでしょう。自分に合った歯ブラシを見つけるのが難しい場合は、歯科医院で歯ブラシの処方を受けるのも効果的です。歯科医師や歯科衛生士は、個々の口内環境に合わせた最適な歯ブラシを提案してくれます。

  • やわらかい毛の歯ブラシを選ぶ: やわらかい毛の歯ブラシは、歯茎を傷つけずに優しく磨くことができます。歯科医の診断に基づいて選ばれる歯ブラシは、特に歯茎の健康を守るために適切です。
  • 小さめのヘッドを選ぶ: ヘッドが大きいと、力を入れすぎてしまうことがあるため、小さめのヘッドで口の中の細かい部分まで丁寧に磨ける歯ブラシが推奨されます。
  • 電動歯ブラシの活用: 電動歯ブラシは、一定の力で効率的に磨けるため、力を入れすぎる心配がありません。タイマー機能が付いているものを使用すれば、適切な時間で磨く習慣を身につけやすくなります。

研磨剤の入っていない歯磨き剤の効果

歯磨き剤の選び方も、歯茎へのダメージを防ぐ重要な要素です。特に、研磨剤の入った歯磨き剤は歯茎や歯の表面に摩擦を与えやすいため、研磨剤が入っていないものを選ぶと良いでしょう。

  • 知覚過敏用の歯磨き剤: 知覚過敏がある場合は、専用の歯磨き剤を使うことで症状を和らげることができます。硝酸カリウムやフッ化物が含まれている歯磨き剤は、神経への刺激を和らげ、知覚過敏を予防します。
  • フッ素入りの歯磨き剤: フッ素は虫歯予防に効果的で、歯の表面を強化します。オーバーブラッシングで歯が傷ついた場合でも、フッ素の働きで再石灰化を促し、歯の健康をサポートします。

歯茎磨きすぎの予防策

歯茎の磨きすぎを防ぐためには、日常的なケアの見直しが必要です。正しい歯磨き方法を実践することはもちろん、日常生活の中で無理なく実践できる予防策を取り入れることで、歯茎の健康を守ることができます。

日常生活でできる予防策

歯茎の磨きすぎを予防するためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。まずは、力を入れすぎないブラッシングを心がけましょう。歯ブラシの持ち方を工夫し、ペンを持つように軽く握ることで、必要以上の力がかかるのを防ぐことができます。また、歯磨きの際に強く磨かないように意識するだけでなく、歯ブラシ自体の状態も定期的に確認することが重要です。

歯ブラシの交換時期は、一般的に1〜2ヶ月に1回が目安です。しかし、毛先が広がり始めた場合は、たとえ使用期間が短くてもすぐに新しい歯ブラシに交換するようにしましょう。広がった毛先では、歯茎を傷つけやすく、オーバーブラッシングの原因となることがあります。新しい歯ブラシは毛先がきれいに整っているため、歯茎への負担を軽減し、より効果的なブラッシングが可能になります。

また、1回の歯磨きは2~3分程度を目安に行いましょう。長時間磨き続けると、知らず知らずのうちに力が入りすぎてしまうことがあります。電動歯ブラシのタイマー機能を活用すると、時間管理がしやすく、過度なブラッシングを防ぐのに役立ちます。

歯科医師に相談するタイミング

歯茎の健康に不安を感じたら、早めに歯科医師に相談することをお勧めします。特に、歯茎の腫れや出血、知覚過敏などの症状が現れた場合は、歯科医師の診察を受けるタイミングです。歯科医師に相談することで、歯茎の状態に合わせたブラッシング方法やケア用品を提案してもらうことができます。

また、歯茎が下がったり、傷が治らない場合も専門的な治療が必要になることがあります。歯科医院での定期的なチェックアップを受けることで、早期に問題を発見し、適切な対策を取ることができます。

よくある質問 (Q&A)

オーバーブラッシングに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。歯茎を磨きすぎた際の対策や治療法など、読者が抱きやすい疑問に対してわかりやすくお答えします。

Q: 歯茎を磨きすぎた場合、どうすればよいですか?

歯茎を磨きすぎてしまった場合、まずは歯磨きの強さを見直すことが必要です。硬い歯ブラシを使用している場合は、やわらかい歯ブラシに切り替え、力を入れすぎないように意識しましょう。歯茎に痛みや腫れ、出血がある場合は、抗炎症作用のあるマウスウォッシュを使ってケアすることができます。症状が改善しない場合や歯茎の状態が悪化していると感じたら、早めに歯科医師に相談して、適切な治療を受けることが大切です。

Q: 歯茎が下がってしまったら治りますか?

歯茎が下がってしまった場合、軽度であれば、正しい歯磨き方法や口腔ケアを続けることで症状の進行を防ぐことが可能です。しかし、進行した歯茎の退縮は自然には元に戻りません。このような場合、歯科医師の診断を受けて、歯茎を再生するための治療を受けることが必要です。歯茎の移植や歯の根を覆う手術など、症状に応じた治療法が選択されます。早めの診察で、最適な治療法を見つけることが重要です。

Q: 磨きすぎによる知覚過敏は治りますか?

磨きすぎが原因で知覚過敏が生じた場合、症状を改善するためにはまず歯磨きの方法を見直すことが大切です。知覚過敏用の歯磨き粉を使用することで、症状が軽減することがあります。硝酸カリウムやフッ化物が含まれている歯磨き粉は、歯の神経に届く刺激を遮断し、痛みを和らげる効果があります。症状が改善しない場合は、歯科医師に相談して、より効果的な治療法を検討しましょう。

歯茎を守るには歯科医院で学ぶ正しいケアが最善の道

歯茎を磨きすぎることによるダメージは、日常の歯磨き習慣を少し変えるだけで予防することができます。力を入れすぎないブラッシングや、自分に合った歯ブラシを使うことが大切です。さらに、歯科医院で歯磨き指導(TBI)を受けたり、定期的に歯科医師に相談することで、より効果的なケアを行うことができます。

歯茎が腫れたり出血する場合や、知覚過敏が気になるときは、早めに専門家の助けを借りることで症状の悪化を防ぐことができます。歯茎を磨きすぎるリスクを理解し、日々のケアを少しずつ改善することで、健康な歯茎と歯を保ちましょう。

監修者プロフィール

araki.jpg

医療法人社団歯科育英会 理事長 荒木健太朗

経歴

平成21年 東北大学歯学部 卒業
平成21年 医療法人渡部会 臨床研修医
平成22年 同法人一箕歯科医院 勤務医
平成23年 同法人ららら⻭科医院 勤務
令和3年12月 医療法人社団 歯科育英会 設立 理事長に就任
令和4年1月 仙台おとなこども歯科・矯正歯科 開院
令和4年5月 長町ららら歯科・矯正歯科 引継
令和4年12月 泉中央おとなこども歯科・矯正歯科
令和5年4月 仙台駅前歯科・矯正歯科 開院



仙台おとなこども歯科・矯正歯科 公式HP
仙台おとなこども歯科・矯正歯科 予防歯科サーチ医院紹介ページ